ナースコールを押せない人への工夫は、なぜ押せないのかで変わります。握る力が弱いのか、手が届かないのか、押すこと自体を忘れてしまうのか。理由が違えば、合う手段も、気をつけることも違います。
この記事では、押せない理由ごとの呼び出し方法(握りボタン・押しやすいスイッチ・置き場所の工夫・センサー)と、センサーで補うときの注意、遠慮して押さない人への声かけを整理します。
ナースコールを押せないのは、なぜか
| 押せない理由 | よくある様子 |
|---|---|
| 握る・押す力が弱い | ボタンを握れない、指で押し込めない |
| 手が届かない | ボタンが落ちている、ベッドの柵の向こうにある、体の向きで届かない |
| 押すことを忘れる・分からない | 認知症などで、呼ぶ手段があること自体を思い出せない |
| 急に動けなくなる | トイレや浴室で倒れた、体調が急に悪くなった |
| 遠慮して押さない | 「忙しそうだから」と我慢して、自分で動こうとする |
まず、どの理由に当たるかを日々の様子から見立てます。理由が分からないまま機器だけを替えても、押せない状態は変わりません。
押せない人には、どんな呼び出し方法があるのか
| 方法 | 向く人 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 握りボタン(大きめ・軽い力で押せるもの) | 握る力が弱い人 | 今のナースコールのメーカーの対応品を選ぶ |
| 軽く触れる・息を吹きかけるなどで反応するスイッチ | 指や手で押す動作が難しい人 | 体のどこで操作できるかを、本人と一緒に試して決める |
| 置き場所の工夫 | 手が届かない人 | 枕元・手すり・車いすなど、動ける範囲に固定する。配線の要らないボタンなら位置を変えやすい |
| ひもスイッチ・低い位置のボタン | トイレや浴室で倒れるおそれがある人 | 床に近い高さからでも届くかを確かめる |
| 離床センサー・マット | 押すことを忘れる人で、ベッドから離れるときに転ぶおそれがある人 | 本人が呼ぶ手段ではなく、動きを知らせるもの。使う基準を決めてから入れる |
| 巡回と声かけ | どの方法も合わない人 | 時間を決めて訪室し、困りごとを先に聞く |
ボタンの種類と取り付ける場所は介護施設の呼び出しボタン、子機の種類はナースコールの種類と仕組みにまとめています。
センサーで代わりにするときは、何に気をつけるのか
離床センサーやマットセンサーは、本人が押さなくても動きを知らせてくれます。ただし、知らせるたびに駆けつけて動きを止める使い方になると、本人の行動を制限することにもなりえます。誰に、どの時間帯に、いつまで使うかを決め、定期的に見直します。
使うかどうかの判断の流れは離床センサーの使用基準と解除基準、センサーの種類は離床センサーとは、床に敷く型の設置方法は介護用マットセンサーで書いています。
押しやすい場所に、配線なしでボタンを置く
ソクラクのナースコールは、電池式の無線ボタンです。配線がないので、枕元・手すり・トイレなど、その人が押せる場所に置き直せます。呼び出しはLINE WORKS・Slack・Teams・LINEでスタッフのスマホに届きます。
- 1つのボタンで、1回押し・2回押し・長押しの3通りに呼び分けられます
- いつ・どの部屋から呼ばれたかが残ります
- 初期費用は10部屋・1フロアで32万円〜、月額は基本利用料1万円+ボタン数に応じた利用料(税別)
ソクラクが扱うのは押して呼ぶボタンです。離床センサーなど、本人が押さなくても知らせる見守りセンサーは扱っていません。
遠慮して押さない人には、どう声をかけるのか
押せるのに押さない人は、我慢した末に一人で動こうとして転ぶことがあります。入居や入院のときに「遠慮せずに押してよい」と伝え、押したあとに何が起きるかを見せておきます。呼ばれて訪室したときに嫌な顔をしないことも、次に押してもらうための大事な一歩です。説明のしかたはナースコールの種類と仕組みの「使い方」の節にまとめています。
よくある質問
ナースコールの代わりになるものは、何がありますか
押せない理由によって変わります。握る力が弱いなら軽い力で押せる握りボタン、手が動かしにくいなら触れる・息を吹きかけるなどで反応するスイッチ、押すことを忘れてしまうならベッドからの離床を知らせるセンサーや、時間を決めた巡回が代わりになります。
押せない人に、センサーを付けてもよいですか
付けられますが、使い方によっては本人の行動の自由を制限することにもなりえます。誰に、どの時間帯に、いつまで使うかを決め、本人や家族に説明し、定期的に外せるかを見直します。
押しやすいボタンは、どこで手に入りますか
いまお使いのナースコールのメーカーや、設備を入れた業者に相談するのが確実です。形が合っても対応していない部品では正しく呼べないことがあるため、対応品かどうかを確かめてから使います。

