ナースコールの頻回への対策は、「呼ばれてから行く」を「呼ばれる前に行く」に変えることが基本です。頻回には理由があります。トイレ、痛み、不安、寂しさ。その理由と、呼ばれる時間帯の傾向が分かれば、先回りできる部分が出てきます。
この記事では、頻回の理由の見つけ方、記録を使った対策の立て方、やってはいけない対応を、介護施設の現場向けに整理します。
ナースコールの頻回は、なぜ起きるのか
頻回の理由は、ひとりひとり違います。よくあるのは次の5つです。
| 理由 | よく見られる様子 | 先回りの例 |
|---|---|---|
| 排泄 | トイレに行きたい、間に合うか不安 | 呼ばれやすい時間の前に声をかけ、誘導する |
| 痛み・体の不調 | 体の向きを変えたい、どこかが痛い | 体位や寝具を見直す。続く場合は医療職と共有する |
| 不安・寂しさ | 用事を聞くと特にない。夜に多い | 短くても顔を見せる時間を決めておく |
| 認知症の症状 | 押したことを覚えていない、何度も同じことを聞く | 呼び出しの意味を責めず、落ち着ける環境を整える |
| 環境 | 暑い・寒い、物が手の届かない場所にある | 室温、照明、よく使う物の置き場所を整える |
ここで大事なのは、理由を本人とスタッフの「感覚」ではなく、記録から見ることです。「いつも呼ぶ人」という印象と、実際の回数や時間帯は、ずれていることがよくあります。
頻回の対策は、何から始めるのか
次の4つを順番に進めます。
- 記録を取る。いつ、どの部屋から呼ばれたか、行ったときに何が理由だったか。1〜2週間分あれば傾向が見えてきます
- 時間帯で並べる。呼び出しが集まる時間帯が分かると、その少し前に行けば済む呼び出しが見つかります
- 理由で分ける。排泄、痛み、不安など、理由ごとに対策が違います。理由が分かれば、誰が対応するかも決めやすくなります
- チームで共有して、試して、見直す。対策を決めたら、また記録を取り、回数や時間帯が変わったかを確かめます
紙の記録でも始められますが、夜勤帯は書く余裕がありません。呼び出しの時刻と部屋が自動で残る仕組みがあると、記録の手間がなくなり、傾向を見る作業に時間を使えます。
記録からは、何が分かるのか
呼び出しの記録を並べると、たとえば次のようなことが見えてきます。
| 記録から見えること | 打てる手 |
|---|---|
| 特定の部屋の呼び出しが、毎晩同じ時間帯に集まる | その時間の前に巡回を入れる |
| 食後や起床の前後に呼び出しが多い | その時間帯の人の配置を厚くする |
| 呼び出しから対応までの時間が長い時間帯がある | 夜勤の動き方や、呼び出しを受ける人を見直す |
| 対策のあとに回数が減った/変わらない | 効いた対策を続け、効かない対策を変える |
記録は、スタッフの負担の大きさを数字で示す材料にもなります。人の配置を見直すときの根拠として使えます。
呼び出しの記録が、自動で残るナースコール
ソクラクのナースコールは、いつ・どの部屋から呼ばれたかを自動で保存します。呼び出しはLINE WORKS・Slack・Teamsなど、いま使っている業務ツールにそのまま届き、誰が対応するかもその場で決められます。
- 1回押す・2回押す・長押しで、「すぐ来てほしい」と「手が空いたときでいい」を分けられます
- 配線工事なし。ボタンは電池式で、1台・1フロアから試せます
- 初期費用は10部屋・1フロアで32万円〜、月額は基本利用料1万円+ボタン数に応じた利用料(税別)
音声通話はできません。呼び出しを確実に届けて、記録を残すことに絞っています。
頻回への対応で、やってはいけないことは何か
頻回が続くと、スタッフも疲れてきます。それでも、次の対応は避けてください。
- ナースコールを手の届かない場所に置く、外す。本当に必要なときに呼べなくなり、転倒などの事故につながります
- 呼んだことを責める。不安が強くなり、かえって呼び出しが増えることがあります
- 「どうせまた」と後回しにする。いつもと違う理由で呼ばれたときに、気づくのが遅れます
押し方で緊急度を分けられる仕組みなら、「急ぎではない」呼び出しを利用者の側で選べるようになり、スタッフも行く前に判断できます。ナースコールの方式ごとの違いはナースコールの種類にまとめています。
よくある質問
ナースコールの頻回は、何回からを言うのですか
決まった回数はありません。施設の人員や時間帯によって、負担に感じる回数は変わります。回数そのものより、同じ人・同じ時間帯に呼び出しが集まり、ほかの業務が回らなくなっている状態を指すことが多いです。
認知症の方の頻回には、どう対応すればよいですか
押したことを覚えていないこともあるため、呼んだことを責めずに対応します。呼び出しの時間帯や、そのときの様子を記録し、落ち着ける環境や声かけの時間をチームで決めていきます。体調の変化が疑われる場合は、医療職と共有してください。
夜間の頻回で、スタッフが足りません
呼び出しがスタッフ全員の手元に同時に届く仕組みにすると、詰所に人がいなくても気づけて、近くにいる人が対応できます。あわせて、記録から呼び出しの多い時間帯を見つけ、その前に巡回を入れると、呼び出しそのものを減らせることがあります。
センサーを入れれば頻回は減りますか
センサーは本人が押さなくても知らせる仕組みなので、呼び出しの回数そのものを減らすものではありません。反応が多すぎるとスタッフの負担が増えることもあります。誰に、どの時間帯に使うかを決めてから入れるのが基本です。
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