介護現場の生産性向上は、機械を入れることではなく、職員の手間を減らして、利用者と向き合う時間を増やすことです。厚生労働省の「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」(2024年度改訂)は、そのための取り組みを7つに整理しています。
この記事では、ガイドラインの7つの取組、取り組みの進め方、テクノロジーの位置づけ、困ったときの相談先を整理します。
介護の生産性向上ガイドラインとは、どんなものか
| 冊子 | 中身 |
|---|---|
| 共通冊子 | 施設・居宅・医療系のサービスに共通する考え方と取り組み方、ツールの使い方、テクノロジー活用を含む最近の事例(2024年度改訂で新しくまとめた) |
| サービス別冊子 | 施設サービス・居宅サービス・医療系サービスごとの事例 |
生産性向上推進体制加算でも、委員会で「このガイドラインに基づく改善活動」を続けることが要件になっています。加算の中身は生産性向上推進体制加算とはで書いています。
ガイドラインの「7つの取組」とは何か
| 取組 | 現場での例 |
|---|---|
| 1. 職場環境の整備 | 物品の置き場所を決める、動線を短くする。探す・取りに行く時間を減らす |
| 2. 業務の明確化と役割分担 | 介護職でなくてもできる仕事を切り出し、介護助手などに任せる |
| 3. 手順書の作成 | 人によってやり方が違う業務をそろえる。新人が迷わないようにする |
| 4. 記録・報告様式の工夫 | 同じことを何度も書かない様式にする。記録ソフトやタブレットで入力する |
| 5. 情報共有の工夫 | 申し送りや連絡を、インカムや業務チャットで速く確実にする |
| 6. OJTの仕組みづくり | 教える人・教える内容・確かめ方を決める |
| 7. 理念・行動指針の徹底 | 何のために見直すのかを、職員全員で共有する |
7つのうち、テクノロジーが直接かかわるのは記録と情報共有ですが、どれも「いまの業務を見える形にする」ところから始まる点は同じです。
生産性向上の取り組みは、どう進めるのか
困りごとを集める
職員から、時間がかかっている業務、ムダだと感じる業務を聞く
いまの業務を測る
どの業務に何分かかっているかを、短い期間でも記録する。夜間の呼び出しの数や時間帯もここで見る
やることを1つ決める
7つの取組から、効果が大きく、すぐ始められるものを選ぶ
試して、測り直す
一部のフロアや時間帯で試し、前と比べる
委員会で振り返る
続けるか、直すか、広げるかを決める
委員会とデータの扱いは加算のデータ提出と委員会、テクノロジーの選び方は介護施設の見守りセンサーの選び方で書いています。
困ったときは、どこに相談できるのか
全国47都道府県に「介護生産性向上総合相談センター」があります。厚生労働省の事業のもとで都道府県が設けた、生産性向上と人材確保のワンストップの窓口です。テクノロジーの選び方や補助金の使い方も相談できます。補助の仕組みは介護テクノロジー導入支援事業にまとめています。
情報共有を、いつもの業務チャットにまとめる
ソクラクのナースコールは、利用者からの呼び出しを LINE WORKS・Slack・Teams・LINE に届けます。職員どうしの連絡と同じ画面で受けられ、呼び出しの時刻と部屋が自動で残ります。
- 配線工事なし。1フロア・1台から試せます
- 初期費用は10部屋・1フロアで32万円〜、月額は基本利用料1万円+ボタン数に応じた利用料(税別)
ソクラクのボタンは、加算でいう「見守り機器」には当たりません。
よくある質問
介護の生産性向上とは、人を減らすことですか
ガイドラインのねらいは、職員の手間やムダを減らし、利用者と向き合う時間やケアの質を高めることです。生産性向上推進体制加算でも、利用者の生活の質が保たれていることを確かめたうえで、業務時間の短縮を見ます。
生産性向上は、何から始めればよいですか
職員から困りごとを集め、いまの業務にかかっている時間を測るところからです。そのうえで、7つの取組のうち効果が大きく、すぐ始められるものを1つ選んで試します。
生産性向上ガイドラインは、どこで読めますか
厚生労働省の「介護分野の生産性向上」のページで、共通冊子とサービス別の冊子が公開されています。事例も載っているので、同じサービスの事業所の取り組みを参考にできます。
関連ページ
参考:厚生労働省「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」(2024年度改訂)、生産性向上ポータル「業務改善に向けた取組」・介護生産性向上総合相談センター一覧(2026年10月27日確認)。

