介護施設にインカムは必要か|できること・費用と、スマホで受けるナースコールとの使い分け

介護施設にインカムは必要か|できること・費用と、スマホで受けるナースコールとの使い分け(ソクラクのコラム/介護施設の見守り)

介護施設にインカムが要るかどうかは、「スタッフ同士がすぐ話す必要があるか」と「利用者からの呼び出しをどこで受けるか」を分けて考えると決めやすくなります。インカムは職員どうしの声のやり取りに強く、ナースコールは利用者からの呼び出しを届けるための仕組みです。
この記事では、インカムでできること・できないこと、費用の考え方、スマホで受けるナースコールとの使い分けを整理します。

目次

介護施設のインカムで、何ができるのか

できること場面の例
手を止めずに話せる入浴や移乗の介助中に、応援を呼ぶ。両手がふさがっていても声で伝えられる
全員に一斉に伝わる「203号室に行きます」「食堂の見守りをお願いします」と、誰が動くかを全員で共有できる
離れた場所とつながる別の階や浴室にいるスタッフと、詰所に戻らずにやり取りできる

反対に、インカムだけでは利用者からの呼び出しは受けられません。利用者が押すボタンと、それを受け取る仕組みは別に要ります。また、話した内容は基本的に残らないため、誰がいつ対応したかを記録したい場合は別の手段を組み合わせます。

インカムの費用は、何で決まるのか

方式しくみ費用で効くところ
無線機型(特定小電力など)専用の無線機どうしで話す。免許の要らない方式が多い人数分の無線機とイヤホン。建物が広いと中継器が要る
IP無線・アプリ型スマホや専用端末で、携帯回線やWi-Fiを使って話す端末の台数と、月々の利用料

どちらも、同時に勤務する人数分をそろえるのが基本です。夜勤の人数が少ない施設では、日勤の人数に合わせて台数を決め、夜は一部だけ使う形も取れます。

インカムとスマホで受けるナースコールは、どう使い分けるのか

インカムスマホで受けるナースコール
何を届けるかスタッフどうしの声利用者からの呼び出し(どの部屋から、いつ)
伝わり方その場で話す。聞き逃すと残らない文字の通知。あとから見返せる
記録基本的に残らない呼び出しの時刻と部屋が残る製品が多い
向いている場面介助中の応援、急ぎの指示居室・トイレからの呼び出し、夜間の巡視中

2つは置き換えではなく、役割が違うものを組み合わせるのが実際的です。呼び出しはスマホで受け、誰が行くかをインカムで声で決める、という使い方もあります。業務チャットでナースコールを受けている施設なら、誰が行くかをチャットへの返信で決めて、インカムを入れずに済ませることもできます。スマホで受ける方法の違いはナースコールをスマホで受けるにはにまとめています。

利用者からの呼び出しは、スタッフのスマホへ

ソクラクのナースコールは、電池式のボタンから、LINE WORKS・Slack・Teams・LINEに呼び出しを届けます。スタッフ全員のスマホに同時に通知され、誰が行くかもそのまま業務チャットで決められます。

  • 配線工事なし。受信機を施設のネット回線につなぐだけ
  • いつ・どの部屋から呼ばれたかを自動で保存します
  • 初期費用は10部屋・1フロアで32万円〜、月額は基本利用料1万円+ボタン数に応じた利用料(税別)

工事不要のナースコールについて見る

ソクラクのナースコールは音声通話ができません。声でのやり取りが要る場合は、インカムと組み合わせてお使いください。

インカムを入れる前に、何を決めておくのか

決めること中身
話してよいこと利用者の近くで話すと、会話が聞こえる。氏名や体の状態を口にしない言い方を決める
呼び方部屋番号や担当の呼び方をそろえる。誰あての話かが分かるようにする
電波の範囲浴室・地下・別棟でつながるかを、入れる前に試す
充電と持ち回り勤務の交代で受け渡す場合、充電の場所と担当を決める

インカムは、生産性向上推進体制加算とどう関わるのか

2024年度に新設された生産性向上推進体制加算では、導入するテクノロジーの1つに「インカム等」が挙がっています。厚生労働省の通知では、インカム(マイクロホンが取り付けられたイヤホン)など職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器とされ、ビジネス用のチャットツールの活用も含むと書かれています。

区分インカム等についての要件
加算(II)見守り機器・インカム等・介護記録ソフトなどのうち1つ以上を導入。インカム等を選ぶなら、同じ時間帯に勤務する介護職員の全員が使う
加算(I)見守り機器(全居室)・インカム等(介護職員全員)・介護記録ソフトの3つすべてを使い、成果が確認されていること

委員会の開催やデータの提出などほかの要件もあり、機器を入れただけでは算定できません。要件の全体は生産性向上推進体制加算とはにまとめています。

よくある質問

小さな施設でも、インカムは必要ですか

スタッフが同じフロアにいて、声をかければ届く規模なら、必ずしも要りません。夜勤が1人の時間帯は、話す相手がいないため、インカムよりも利用者からの呼び出しを確実に受ける仕組みのほうが先です。

インカムでナースコールを受けることはできますか

ナースコールの呼び出しを音声でインカムに流せる製品もあります。対応しているかはナースコールとインカムの両方の製品によるため、メーカーに確認します。音声で流す場合は、聞き逃すと残らない点に気をつけます。

インカムとナースコール、先に入れるならどちらですか

利用者からの呼び出しを取りこぼしている、詰所を空けると気づけない、という困りごとが先にあるなら、ナースコールの受け方を見直すのが先です。介助中に応援を呼べない、指示が伝わらない、という困りごとが中心ならインカムが先に効きます。

関連ページ

参考:厚生労働省「生産性向上推進体制加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例等の提示について」(令和6年3月15日 老高発0315第4号、3月29日改正)、「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(2026年10月27日確認)。

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