耳鼻咽喉科クリニックの開業|収支の実態と、季節の波への備え・検査機器

耳鼻咽喉科クリニックの開業|収支の実態と、季節の波への備え・検査機器(ソクラクのコラム/クリニック開業)

耳鼻咽喉科クリニックは、花粉の時期や冬の感染症の時期に外来が集中する、季節の波が大きい診療科です。忙しい時期にどれだけの人数を診られるかと、落ち着いた時期をどう過ごすかの両方を、開業の計画に入れておく必要があります。
この記事では、厚生労働省の医療経済実態調査から耳鼻咽喉科クリニックの収支を読み、季節の波への備え、開業費用と物件の考え方を整理します。

目次

耳鼻咽喉科クリニックの収支は、どれくらいなのか

入院のない耳鼻咽喉科クリニック1施設あたりの、1年間の数字です(令和6年度にあたる期間。千円単位の数値を万円に四捨五入しています)。

項目個人の開設医療法人の開設
医業収益8,391万円1億2,529万円
給与費2,478万円6,874万円
医薬品費537万円656万円
減価償却費429万円519万円
損益差額3,181万円1,204万円
損益率37.9%(前年度 40.9%)9.6%(前年度 18.6%)
集計した施設数2891

医薬品費は、医業収益の規模が近い内科(個人1,292万円)の半分以下です。医療法人の損益率は前年度の18.6%から9.6%へと大きく下がりました。季節の流行の大きさで、年ごとの収支が動きやすい診療科だと考えて計画に幅を持たせます。個人の給与費には院長自身の報酬が入っていないので、個人の損益差額は「院長の取り分・税金・借入の返済」の原資で、法人の数字とはそのまま比べられません。

季節の波に、どう備えるのか

備え中身
忙しい時期の受け方順番待ちや予約の仕組み、待合の広さ。受付と会計で詰まらない人数
人の配置忙しい時期に合わせて常勤を増やしすぎない。パートの組み方で幅を持たせる
落ち着いた時期の診療めまい・難聴・睡眠時の呼吸など、季節に左右されにくい診療をどこまで持つか
運転資金少ない月が続いても家賃と人件費を払えるだけの余裕を、開業資金に入れておく

耳鼻咽喉科の開業費用は、何で変わるのか

決めること費用に効くところ
診察ユニットと内視鏡診察台まわりの機器、鼻や喉の内視鏡と洗浄・消毒の設備
聴力検査防音の検査室(ブース)を置くか
画像の検査エックス線や CT を置くか。遮へい工事と届出
待合の広さと分け方忙しい時期の人数を受けられる広さ。発熱の方を分ける動線

資金の全体像と運転資金の見積もり方はクリニックの開業資金、物件の確かめ方はクリニック開業の物件の選び方にまとめています。

一般社団法人での耳鼻咽喉科の開設を、設計から保健所まで一緒に進めます

耳鼻咽喉科は、季節の波を前提に人と運転資金を組みます。検査の範囲・エリア・開設のかたちが決まれば、大枠は出せます。

  • 無料相談のなかで、大枠の試算をお出ししています
  • 一般社団法人で開設する場合の、法人まわりの費用も含めて見ます
  • 物件・内装・機器は、それぞれ得意なパートナー会社をご紹介します

クリニック開業支援について見る

開業すると決めていない段階でも構いません。

耳鼻咽喉科の立地は、どう考えるのか

令和5年の調査では、耳鼻いんこう科を掲げる一般診療所は5,681施設で、令和2年から102施設減っています(重複あり)。子どもから高齢の方まで通う診療科なので、生活圏の中で通いやすいこと、忙しい時期の人数を受けられる広さが取れることを見ます。医師が特に多い地域での事前届出はクリニックの開業規制に書きました。

耳鼻咽喉科を一般社団法人で開設すると、何が変わるのか

耳鼻咽喉科でも、一般社団法人を開設者にできます。違いが出るのは診療の中身ではなく、開設の手続きと、その後の動かしやすさです。

項目一般社団法人で開設すると
開設の手続き開設の前に保健所の許可を受ける(個人で開くなら開設後10日以内の届出)。保健所は法人の非営利性も確かめる
代表者と管理者代表者に医療の資格は要らない。管理者は医師(歯科は歯科医師)
拠点と承継院長が替わっても開設者は法人のまま。分院や承継を前提に設計しやすい

耳鼻咽喉科は、季節で人の配置が変わる診療科です。忙しい時期に応援の医師を迎えるなど、法人として体制を組む設計がしやすくなります。医療法人との違いは一般社団法人と医療法人の違い、弱いところは一般社団法人でクリニックを開くデメリットにまとめています。

よくある質問

耳鼻咽喉科の開業資金は、いくらくらいですか

公的な統計で、耳鼻咽喉科の開業資金の相場を示したものはありません。内視鏡・聴力検査室・CT などの画像機器をどこまで置くか、居抜きかスケルトンかで変わります。季節の波があるので、運転資金を多めに見ておきます。

花粉の時期の混雑には、どう備えればよいですか

順番待ちや予約の仕組みで待合の混雑を抑え、受付と会計の人数を忙しい時期に合わせて組みます。常勤を増やしすぎず、パートの組み方で幅を持たせると、落ち着いた時期の負担が軽くなります。

子どもの患者さんへの備えは要りますか

耳や鼻の症状で、子どもが耳鼻咽喉科に通うこともあります。子ども連れで入りやすい入口や待合を作っておくと、通いやすさが変わります。小児科の開業の考え方は小児科クリニックの開業にまとめています。

関連ページ

参考:中央社会保険医療協議会「第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」(令和7年実施)一般診療所・主たる診療科別の損益状況(入院診療収益なし、集計2)、厚生労働省「令和5年医療施設(静態・動態)調査」表6(2026年10月30日確認)。

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