医療DX推進体制整備加算は廃止|後継の電子的診療情報連携体制整備加算の点数と要件

医療DX推進体制整備加算は、令和8年度の診療報酬改定で廃止されました。医療情報取得加算もあわせて廃止され、代わりに「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設されています。初診時は区分1〜3で15点・9点・4点、再診時は2点です。
この記事では、新しい加算の点数と施設基準、旧加算からどこが変わったのか、届出の前に確かめておくことを、厚生労働省の改定資料にそって整理します。

目次

医療DX推進体制整備加算は、何に変わったのか

令和8年度改定で、医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算が廃止され、次の加算が新設されました。外来の初診料・再診料に関する項目は、令和8年6月1日から適用されています。

新しい加算対象点数
電子的診療情報連携体制整備加算医科の初診(月1回)加算1:15点/加算2:9点/加算3:4点
電子的診療情報連携体制整備加算医科の再診(月1回)2点
電子的診療情報連携体制整備加算入院(入院初日)加算1:160点/加算2:80点
電子的歯科診療情報連携体制整備加算歯科の初診(月1回)加算1:9点/加算2:4点(再診は医科と同様)
電子的調剤情報連携体制整備加算調剤基本料(月1回)8点

旧加算から、何が変わったのか

旧加算は、マイナ保険証の利用率に応じて6つの区分に分かれていました。新しい加算は、利用率の要件を30%以上にそろえ、そのうえで電子処方箋と電子カルテの対応で区分を分ける形に変わっています。

改定前改定後
加算の名前医療DX推進体制整備加算/医療情報取得加算電子的診療情報連携体制整備加算
医科の初診加算1〜6:12点〜8点加算1〜3:15点/9点/4点
医科の再診医療情報取得加算 1点(3か月に1回)2点(月1回)
区分を分けるものマイナ保険証の利用率電子処方箋・電子カルテへの対応
マイナ保険証の利用率区分ごとに異なる30%以上(区分1〜3共通)

利用率の要件は下がった一方で、いちばん上の区分(15点)を取るには、電子処方箋と、電子カルテの側の対応が両方必要になりました。

施設基準は、何を満たせばよいのか

外来の施設基準は、全区分に共通する7つの要件と、上の区分で加わる3つの要件に分かれます。加算3は(1)〜(7)、加算2は(1)〜(7)と(8)〜(10)のいずれか1つ、加算1は(1)〜(10)のすべてです。

番号要件必要な区分
(1)オンライン請求を行っている全区分
(2)診療報酬明細書を患者に無償で交付している全区分
(3)オンライン資格確認を行う体制がある全区分
(4)オンライン資格確認で取得した診療情報を、診察室などで閲覧・活用できる全区分
(5)マイナ保険証利用率が30%以上全区分
(6)マイナポータルの医療情報等に基づき、患者の健康管理の相談に応じる体制がある全区分
(7)明細書発行や医療DXの体制について、院内の見やすい場所とウェブサイトに掲載している全区分
(8)電子処方箋を発行する体制、または調剤情報を電子処方箋システムに登録する体制がある加算1は必須/加算2は(8)〜(10)のいずれか1つ
(9)安全管理ガイドラインに準拠し、電子処方箋管理サービスと電子カルテ情報共有サービスの接続口を持つ電子カルテ(または国が認証する電子カルテ製品)がある加算1は必須/加算2は(8)〜(10)のいずれか1つ
(10)電子カルテ情報共有サービスで取得した情報を活用する体制、または一定の要件を満たす地域の医療情報連携ネットワークを活用する体制がある加算1は必須/加算2は(8)〜(10)のいずれか1つ

入院の加算(160点・80点)は、外来の基本要件に加えて、医療情報システムの安全管理の責任者の配置、オフラインのバックアップ、システムが使えないときの業務継続計画(BCP)と年1回程度の訓練などが求められます。

クリニックが、いま確かめておくことは何か

旧加算を算定していたクリニックでも、新しい加算では区分の決まり方が変わっています。届出の前に、次の順で確かめます。

  1. マイナ保険証の利用率が30%に届いているか。届いていなければ、どの区分も算定できません
  2. 電子処方箋に対応しているか。加算2以上の分かれ目になります
  3. 使っている電子カルテが(9)の要件に当たるか。電子カルテのメーカーに、電子処方箋管理サービスと電子カルテ情報共有サービスへの対応状況を確認します
  4. 院内掲示とウェブサイトへの掲載ができているか。ホームページに必要な事項が載っていないだけで要件を満たせません

区分2・3で届け出ている医療機関が、要件を満たして上の区分を算定したい場合は、改めて届出が必要です(辞退届は不要とされています)。

要件のうち、仕組みの側を整える

加算の要件は、制度の理解よりも「仕組みが追いついているか」で止まることが多くあります。ソクラクは自院のクリニックを運営しながら、業務効率化の仕組みを作ってきました。

  • ウェブサイトへの掲載要件に合わせて、ホームページの該当ページを整えます
  • 電子カルテとほかのシステムをつなぐ、院内の仕組みの開発を行います
  • 施設基準の届出そのものは医療機関から行っていただきます。必要な情報の整理をお手伝いします

医療DX・クリニックの業務効率化について見る

どの要件で止まっているかが分かっていなくても構いません。

加算のために、何から手をつけるのがよいのか

点数だけを見ると、初診1回あたり最大15点です。加算のためだけにシステムを入れ替えると、費用に見合わないこともあります。電子処方箋や電子カルテの更新を、加算のためではなく院内の業務効率化として意味があるかで判断し、その結果として加算の区分が上がる、という順番で考えると判断を誤りにくくなります。

電子カルテとほかのシステムをどうつなぐかはクリニックのシステム開発、ホームページを検索とAIの回答に載せる考え方はクリニックのSEO・AIO対策で書いています。

よくある質問

医療DX推進体制整備加算は、もう算定できないのですか

できません。令和8年度改定で廃止され、電子的診療情報連携体制整備加算に置き換わりました。医療情報取得加算も同時に廃止されています。新しい加算を算定するには、新しい施設基準での届出が必要です。

電子的診療情報連携体制整備加算は何点ですか

医科の初診時は、加算1が15点、加算2が9点、加算3が4点で、月1回の算定です。再診時は区分なしで2点(月1回)です。入院は入院初日に限り、加算1が160点、加算2が80点です。

マイナ保険証の利用率が30%に届かないとどうなりますか

利用率30%以上は区分1〜3すべてに共通する要件のため、どの区分も算定できません。窓口での声かけや掲示など、利用率を上げる取り組みが先になります。

ウェブサイトへの掲載は、どこに何を書けばよいですか

明細書の発行に関する事項や、医療DXの推進の体制に関する事項などを、院内の見やすい場所とウェブサイトの両方に掲載することが求められています。掲載すべき項目の詳細は、厚生労働省の通知と地方厚生局の案内でご確認ください。

関連ページ

出典:厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定 7.外来医療の機能分化・強化等」(電子的診療情報連携体制整備加算の新設①〜③)、同「疑義解釈資料」。点数・施設基準は2026年10月時点の資料にもとづきます。届出の前に、厚生労働省の告示・通知と地方厚生局の案内で最新の内容をご確認ください。

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