介護の採用は、「応募が来ない」より前に「どんな人が働いているのか分からない」で止まっていることが多くあります。求人票に書けるのは条件だけです。条件が近ければ、応募する側は最後の一歩を踏み出せません。そこを埋めるのが採用動画です。都内の介護事業者様と一緒に、職種ごとに1本ずつ撮った話を書きます。
介護施設の採用動画は、何を撮ればいいのか
施設ではなく、そこで働く人を撮ります。建物や設備の紹介は求人票と重複します。応募を迷っている人が知りたいのは、自分が入ったときに隣にいるのが誰なのか、その人が何を思ってこの仕事をしているのかです。
だから共感ストーリー型で撮ります。一日の流れをなぞるのではなく、その人がなぜこの職種を選び、どんなときにやりがいを感じ、どこで悩んだのかを、本人の言葉で話してもらう形です。
なぜ職種ごとに分けるのか
職種によって、見ている不安が違うからです。
介護職の応募者が気にするのは、現場の人間関係と、身体的な負担と、教えてもらえる体制があるかどうか。生活相談員の応募者が気にするのは、裁量の範囲と、現場との距離と、ご家族への対応をどこまで一人で持つのか。同じところを見ていません。
1本にまとめると、どちらにも半分しか届きません。両方を入れて長くすると、今度は最後まで見てもらえません。職種ごとに1本ずつ用意して、応募したい職種の動画だけを見てもらうのが確実です。
職種だけでなく、職責・職位でも分ける
同じ介護職でも、これから現場に入る人と、リーダーや主任として人をまとめる立場の人とでは、聞きたいことが違います。前者は「入ったあと、どう教えてもらえるのか」。後者は「任される範囲はどこまでで、上とどう話せるのか」。
職種の軸だけで分けると、この差が消えます。職種と職位の両方で分けて、それぞれ1本ずつ用意します。
都内の介護事業者様の場合
介護職と生活相談員を中心に、職種と職位ごとに1本ずつ撮りました。出し先は3つです。
- Instagram のリール(縦型)— 探していない人にも届く
- 求人媒体の中 — いま応募を考えている人が見る
- YouTube — 長尺を置いておく場所。求人票からリンクを張る
一番効いたのは求人媒体の中でした。求人票を読んでいる途中で、そこで働いている人の話が見られる。読んで応募するのではなく、見てから応募する形になります。
発信を始めてから、応募者の警戒心が下がりました。面接が「動画を見ました」から始まるので、お互いに探り合う時間が要らなくなります。介護業界は人が足りていません。だからこそ、条件で釣るのではなく、思いに共感してくれる人に入ってもらうことが結局は早い、というのが一緒に出した結論です。
職種ごとの採用動画をつくる
どの職種から撮るか、誰に出てもらうか、どこに置くか。決まっていない段階からご相談いただけます。
- 職種と職位の分け方から一緒に決めます
- Instagram・求人媒体・YouTube の置き分けまで設計します
- 企画・撮影・編集・公開まで一気通貫で担当します
制作期間は2〜3週間です。何を撮りたいか決まっていなくて構いません。
撮ったあと、どこに置くかまで決める
求人票 → 動画 → 応募。この順番を先に決めてから撮ります。置き場所が決まっていないと、撮った動画が「良い映像」で終わります。
求人媒体には、動画を直接置けるものと、リンクしか置けないものがあります。置けない場合は、Instagram のプロフィールか自社の採用ページを受け皿にして、そこに職種ごとの動画を並べます。応募者が「自分の職種の話」にたどり着くまでのクリック数を、できるだけ減らします。
採用のために撮ったものが、中にも効く
撮影のために、自分たちがどういう思いでこの仕事をしているのかを言葉にし直すことになります。これはインナーブランディングそのものです。
出来上がった動画を既存のスタッフが見ると、普段は聞かない他の職種の考え方が分かります。生活相談員が何を抱えているか、現場の介護職が何を見ているか。採用のために撮ったものが、中の理解にも働きました。
やらないこと
- 利用者様やご家族の映り込みは、同意が取れている範囲だけにします
- 「アットホームな職場です」のような、どこでも言えることは言いません
- 台本を渡して読ませることはしません。共感ストーリーは、本人の言葉でないと届きません
よくある質問
職種ごとに分ける必要はありますか
応募してほしい職種が複数あるなら、分けたほうが届きます。介護職と生活相談員では、応募前に確かめたいことが違うためです。まず1職種だけ撮って反応を見てから広げる、という進め方もできます。
何人くらいに出てもらえばいいですか
1本につき1人で構いません。複数人を入れると1人あたりの話が短くなり、共感の手がかりが減ります。職種と職位の組み合わせのぶんだけ本数を用意するほうが、結果的に見てもらえます。
顔出しを嫌がるスタッフがいます
無理には出しません。出てもよいという方から撮ります。手元や後ろ姿と声だけで構成することもできますが、共感ストーリー型は表情が効くので、出られる方を探すほうを先に検討します。
求人媒体に動画を置けない場合はどうしますか
求人票からリンクを張れる受け皿を作ります。Instagram のプロフィール、YouTube の再生リスト、自社の採用ページのいずれかです。職種ごとにまとめておくと、応募者が自分の職種の動画にすぐたどり着けます。
撮影は現場を止めることになりますか
止めない形で組みます。私たち自身がクリニックを運営しているので、現場を動かしながら撮る段取りには慣れています。シフトの谷間や、利用者様がいない時間帯に寄せて撮ります。
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